2021年7月、五輪が始まるその少し前、ラのつく推しが燃えた
2021/07/22に日付が変わるぐらいの頃
実話BUBUKAが発端でTwitter内で炎上がはじまる
ラを人生の柱のひとつにしてる知人がわりと何人もいるので、うまく自衛して生き延びてね……の気持ちである。
オタク、さまざまな他人の感情はうまく遮断して、つよくいきようね。
作品(表現)の是非は問われるべきなのかもしれないけど、それについて物申す外野の強い感情を、ファンだからといってすべて受け止めたり、何か答えを出そうとする必要はない。し、わざわざいま自分の立ち位置を宣言しなくてはならないルールもないのだ。
ラーメンズの件。たしかに初期の頃は「扱っちゃいけないネタを扱っちゃう→面白い」みたいなのが多くて、たとえば不法滞在の外国人が日本語を勉強するネタとか、オチの「小麦粉カナニカダ」の頃でもちょっと笑えなかった。次第にそういうネタは減っていって、純粋な言葉遊びが増えていった印象がある
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 21, 2021
「タブーを侵されたら面白い」というのは、倫理的な境界が侵犯される恐怖とか不安が起こす体の反応を笑いと認識している状態のことなので、身の安全が保証されていなければ、それはただの恐怖と不安に過ぎない。
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 21, 2021
かつては様々なことが「安全」のうちに許されていた。日本語というマイナーローカル言語圏では、ホロコーストをジョークにすることや、顔を黒く塗り拙い日本語を話すことや、様々な女性の容姿を否定することが、日本人男性と彼らの作り出す文化圏の中のみ許される「安全」なタブー破りだった
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 21, 2021
いまはその「安全」は、弱者の人権を踏みにじった上にあるものだという認識が、多くの人に共有されている。だからいまラーメンズが過去のネタを引っ張り出されて批判されたとしたら、いまのラーメンズは見解を出すべきだと思う。その上で
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 21, 2021
「でもだって時代が……」と、言っても仕方ない雑な反論(記事や外野の感想への)を飲み込んでいたのだが、麻草先生がうまく言語化してくださっている。いま何ができるのか、の部分まで。
「時代と価値観とフィクション(コメディ)の表現」に関しては、二ノ宮先生のこのツイートがすごく印象的というか真摯だなと思った記憶。
これを機にのだめの原作を読む方々。この作品には数々の暴力、セクハラシーンがあるのでご注意下さい🌷
— 二ノ宮知子🧨 (@nino0120444) September 8, 2020
描き始めた2001年の二ノ宮規格がもうね。。
◆
コンビ名や人名での検索だと有象無象の罵詈雑言がヒットして精神が持たないので「推し燃ゆ」で検索して、推し、燃えたね……ってなってる人たちを巡回している。
「批判する前に作品見て」って言ってしまうみなさん、気持ちはわかるんだけど、批判したい人は作品見たって批判する気持ちでしか見ないからどうせ粗探ししかしないんだよな。
ウンコのついた手で調理してたシェフって認識してしまったらいくら味が美味しいお料理でも食べたくないもんな。
自分でたとえててすごく悲しくなってきた。彼の創作は、作品は、ウンコなんかじゃない……。
ドメスティックな環境でのみ許された差別的言動がネットによって世界に伝播し批判されるというよくあるパターンの一つだと思います。そもそも日本のお笑いは外に出したらいけなかったのです。多くは外国に理解を得るための批評性などもないし、これが日本独自の文化であると閉ざす姿勢もテレビにはない https://t.co/Ax0trtdAFY
— 浅村壮平 (@asamurasohey) July 21, 2021
この問題の発端は「過去の文化」「異国の特殊な文化」というヴェールで守られていたものが、オリンピックという国際的な行事に参加する事で一切効力を持たなくなってしまった点にあります。つまり謝罪して、再び個人レベルの表現活動に戻る以外、やりようがない。それがファンとして悲しい所です
— 浅村壮平 (@asamurasohey) July 21, 2021
こちらも腑に落ちる解説。
◆
おっ 解任の報が
いっそありがとうの気持ちだな
今回の「炎上」で救いだったのは、私が彼のことを嫌いにならないですんだことだ。彼が過去にどんな表現をして、それが後世どういう裁きを受けたのか、その文脈は把握した上で、それでも、彼の作品の価値は私の中で色褪せない。揺らがない。
多くの同胞たち(もっと大きな感情を抱えている人たちも沢山いるから気軽にそう呼ぶのも憚られるけど)も、今回の「炎上」で彼のことを嫌いになった、見損なったということにはならず、彼らの作品が与えてくれた輝きやあたたかさを今後も大事にできる、分かり合える友も減ったわけではないのがよかった。
いやだって、うん、そういう表現を過去にしていたこと自体は全然知ってたもんな。
つべの無料公開やめちゃうとかになったらそれはさすがに泣いちゃうけど
変に式開催後に燃え上がって収拾つかなくなって発表された作品にもケチつけられるよりは、あらかじめこんな五輪おろしてもらってくれてありがとうございますくらいの感情よ。というのがライトファンの本音。
◆
初めて見たのはあの作品で、あの作品が好きで、と、作品名だけ挙げて、だからいま私はここにいます、と呟いている演劇スタッフさんのツイート、ハグしたい気持ちになった。
ドイツ人のジャーナリストが書いた社会風刺小説『帰ってきたヒトラー』との違いは当事者性で、ラーメンズのあれが「東京大空襲ごっこな」「あれは怒られたな〜」 だったら今回は問題になってなかったし、たぶんその場で笑いは起きてなかった。他人事だから笑ってたんですよ。
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 22, 2021
他人事で「言ったら怒られることを言ったから面白い」だったので、怒られの根っこは同じなんですよ。だから悲しいし、悔しいし、情けないの。
— 麻草郁(かわいい) (@asakusan) July 22, 2021
あの頃のああいう表現を、あの頃よりもう少し進んだはずの時代で見た私は笑ってしまって、そのことを思い出した現代の私は、反省をしている。
反省というと言葉がアレだけど、あの時私は笑ってしまったなということも、忘れちゃいけないなと感じる。
◆
全文きた
彼らの作品が私のなかで揺らがないというのは、話題になったあの表現を許容するという意味ではなく、私たちは、ああいう表現をしていた彼らが、その後どのように考え、どう変わり、何を大切にしてきたかを知っているから、ということ。
あの表現自体への「あれが許されないのか」に対しては、許されないだろと思う。
そこ論点ズレてると、うーんとなる。
(今後何かあれば追記するかもしれないし、しないかもしれない)
ことの流れを忘れない
「匿名掲示板」で発掘された「(既に廃盤になっている)違法アップロードの動画」をソースに「悪趣味系」の雑誌が火をつけて「トランピストの陰謀論アカウント」の指摘を受けた「心はイスラエルとともにある」防衛副大臣が「パレスチナ人の虐殺は肯定する」団体にご注進。
— 灯 (@hqs72) July 22, 2021
改めて書くとすごい流れだ…。解任という結果は正しくとも、そのプロセスは何から何まで間違っている…。
— 灯 (@hqs72) July 22, 2021
正直今回はわりとリベラルにも評判良かった表現者の過去を、コアマガジンみたいなポリコレの対極にあるような所が愉快犯的に動画を出して、それを右派アカウントが防衛副大臣にチクり、副大臣が自国政府を飛ばして直接海外機関に報告というわけのわからない展開なので、みんな困っているというのはある
— CDB (@C4Dbeginner) July 22, 2021