舞監をください
「舞台監督」という言葉は日常生活にはあまり耳馴染みのない言葉で
普段から観劇を楽しんでるよ!という方でも
どんな仕事かイメージできないというお客様は多いかもしれません。
映画監督の舞台版でしょ?と思った方。違うのです。
それはだいたい「演出家」と呼ばれる部署の仕事です。
端的に言うと、工事現場などにいる現場監督の舞台版です。
公演全体の完成図を把握し、どの工期で何をすれば間に合うか采配し
舞台美術家と照明家と音響家と演出家のやりたいことを
一番ベストな形で実現するために奔走する部署です。
(舞台美術と舞台監督を兼任なさるかたもいますが
それはあくまで兼任で、もともとは別の部署で別の能力です)
そのうちの一環として
「やりたいことを全部やろうとする人たち」に
「現実を突きつける」ポジションでもあります。*1
そこに物を置くと人がぶつかるので見栄えが変わらないこちらから吊りませんか、とか
そこまで水を撒くとお客様に被害が出るから見せ方を変えませんか、とか
怪我をした出演者の安全を確保したり、このラインまで負傷したら
舞台には立てないから諦めて別の方法を探ろうねと提案したり。
地震や火災の時に公演中止を判断するのも舞台監督さんです。*2
これは舞監がいない現場で私が作詞した名曲
本職の舞台監督を付けないでどうにか公演を打とうとする団体の心持ちとして、一番は小屋入り僅か1週間で数十万円にもなる舞監費を抑えたいというのが大きな理由だろうけど、逆にまず1週間でそれだけの金額になる仕事量と技術や物品を、座組や役者だけで補い切れるのかを考えるべきだと思うのよね。
— さとうひでのり (@hidekichiii) 2020年1月18日
これは私が世界で一番信頼してる舞台監督さんのツイート
プロの仕事を素人だけでやろうとすると
・なにが必要なのかわからない(困ってから判明する)
・必要なものの入手方法がわからない(調べる時間がかかる)
・必要と思われるものの現物を入手してみないと、本当に必要なのがそれかわからない
から、時間のコスパがすごく悪いです。
プロの舞台監督さんは、困ったことがあったときの乗り切り方とか、そもそも劇場ごとの特徴(幕が変形、平台が変形、○○がない、○○は申請制etc.)を知っててノウハウの蓄積があります。
個人的には劇場入り後は基本「時間」と「思考する余裕」が一番価値のある、金を払っても確保すべきものだと思うので(もちろん「安全」もだけど)、プロの舞監さんを頼まないと、結果的にお金も時間も余分にかかる気がします。
もちろん、最近はギャラリー公演やカフェ公演など様々な規模のお芝居があるので、どんな公演もすべてプロの舞台監督がいないと信用ならない、ということではないと私も思います。
個人的なラインとしては
・プロの美術がベタ付きでいられないのに大掛かりな吊りものがある
・人の身長より高いアクトエリアがある
・専業スタッフがひとりもいない(音響照明を役者/普段役者しかやってない人で回すなど)
・タイムテーブルを組める人間がいない
・劇団や企画者が裏明かりや蓄光テープなどを自前で持っていない
場合はプロの方に、少なくとも仕込み日だけでも、お願いした方がいいのではないかなと。
個人の感想です。むしろプロの舞台監督さんのご意見お待ちしてます。
書きかけだけどとりあえず公開するよ!
書き足してまとまったらツイットするよ!